
人気ドッグトレーナー/訓練士
犬のしつけは、愛情あふれる飼い主さんとのコミュニケーションの一部です。しかし、どんなに愛情を持って接していても、知らず知らずのうちに犬にとってNGな行動をしてしまうことがあります。犬との関係をより良くするためには、これらの行動を避け、正しい方法で接することが大切です。
犬の行動学に基づき、なぜこれらがNGとされているのか、どのように改善すれば良いのか・・・。犬との幸せな生活のために、これらのポイントをしっかり押さえておきましょう。
すぐに叱らない・後になって叱る

犬のしつけにおいて、「すぐに叱らない」、「後になって叱る」行為は、効果的なコミュニケーション方法とは言えません。
犬は短期間の出来事に対して反応する生き物です。彼らの脳は、即時の出来事とそれに対する反応を結びつけるように作られています。そのため、その場ですぐに叱らない、時間が経ってから叱ることは、犬にとってその叱責が何に対してなのか理解することが難しくなります。
例えば、愛犬が家の中でいたずらをしたとしましょう。そのいたずらを発見したのが数時間後だった場合、叱ることは避けます。なぜなら、犬は何を叱られているのか理解できず、ただ単に恐怖を感じるだけだからです。その結果、叱った飼い主を恐れるようになり、信頼関係が損なわれてしまいます。
叱る場合は、いたずらをした瞬間に軽く注意をすることにしましょう。この対応により犬の行動は徐々に改善され信頼関係も深まっていきます。
また、犬のしつけにおいては「ポジティブな強化」が鍵となります。つまり、望ましい行動をした際には、その場で褒めることで、その行動が強化されます。
私の経験からも、愛犬がトイレのしつけで成功した時に即座に褒めたところ、彼はすぐにその行動を覚え、トイレトレーニングが驚くほどスムーズに進みました。このように、犬のしつけでは、即時のフィードバックが非常に重要であることがわかります。
結論として「後になって叱る」行為は避け、犬の行動や感情を理解し、その場で適切な対応を取ることが重要です。これにより、犬との健全なコミュニケーションと信頼関係の構築に繋がります。犬のしつけは時に試行錯誤が必要ですが、愛情と忍耐を持って接することで、お互いにとって幸せな関係を築くことができます。
抱き上げて避ける

避けるべき行為の一つに、抱き上げて避ける行為があります。犬を危険や不安から守るために、優しい行動のように見えますが、実際には犬と飼い主の関係性に悪影響を及ぼす可能性があります。
犬は環境や対象との相互作用を通じて学びます。何か新しいものや状況に遭遇した時、犬はそれが安全かどうか、どのように反応すればよいかを理解しようとします。しかし、その探究心を満たす前に抱き上げて避けさせることで、犬は自分で状況を評価し、適切に対処する機会を失います。これは長期的に見て、犬の自信の欠如や、未知のものへの恐怖を植え付ける原因となり得ます。
例えば、私の友人は、彼の愛犬が他の犬に近づくのを恐れていました。彼は常に愛犬を抱き上げて他の犬から避けさせていたため、その犬は他の犬との適切な社会化の機会を失いました。結果として、その犬は他の犬と遊ぶ方法を知らず、常に恐怖と不安を感じるようになってしまいました。この事例からもわかるように、抱き上げて避けさせる行為は犬の社会性の発達を妨げることがあります。
さらに、犬を抱き上げることで、犬が自分よりも身体的に劣る存在とみなされがちです。これは犬のリーダーシップを育む上で不利となり、飼い主と犬の間の健全な階層関係の確立を妨げることにも繋がります。
犬のしつけにおいては、犬が新しい環境や状況に慣れるようサポートすることが重要です。不安や恐怖を感じさせることなく、犬が自ら学び、適応できるようにすること。これこそが、犬との健全な関係を築く上での鍵です。
抱き上げて避けさせるのではなく、安全な距離を保ちつつ、好奇心を持って探索させる。そうすることで、犬は自信を持って新しい環境や状況に対処できるようになります。
コマンドを連呼する

犬のしつけにおいて「座れ」や「待て」といったコマンドを繰り返し連呼することは、一見、犬に指示を理解させようとする指示に見えるかもしれません。しかし、この方法は犬の学習過程において逆効果であることが多いのです。
犬は状況を理解し、それに応じた行動を選択する能力を持っていますが、同じコマンドを何度も連呼されると、その指示の価値が薄れ、最終的には無視するようになる恐れがあります。
私の友人が飼っている犬のしつけで、この現象を目の当たりにしたことがあります。
彼女は犬に「座れ」と命令する際、一度や二度ではなく、犬が座るまで何度も繰り返し言っていました。最初は効果があるように見えましたが、時間が経つにつれて犬は「座れ」というコマンドに反応しなくなり、彼女が何度言っても座ろうとしませんでした。
この経験から、コマンドを連呼することの弊害を身をもって学びました。
犬のしつけにおいて大切なのは、一貫性と忍耐です。コマンドを出したら、犬がその指示を理解し、実行するまで待つことが重要です。また、犬がコマンドを実行した際には、即座に褒めて報酬を与えることで、正しい行動を強化します。これにより、犬はコマンドを聞いた際に何をすべきかを学び、より迅速に反応するようになります。
さらに、コマンドの連呼は避けるべきであると同時に、犬の注意を引くために、声のトーンや強さを変えることも有効な手段です。犬は人間の声の変化に敏感であり、同じ言葉でも異なる方法で伝えることで、犬の興味を引き、指示に対する反応を改善することが可能です。
犬のしつけにおけるコマンドの連呼は、犬にとって混乱の原因となり、学習効果を低下させる可能性があります。犬とのコミュニケーションでは、忍耐と一貫性をもって、明確で短いコマンドを用いることが、効果的なしつけへの鍵となります。
失敗したのにほめる・叱らない

犬のしつけにおいて「失敗したのにほめる」行為は、一見すると優しさからくるものに見えますが、実は犬の学習過程において混乱を招き、望ましくない行動を固定化させるリスクがあります。犬は人間の反応から多くを学び、その反応を基に自身の行動パターンを調整していきます。そのため、犬が望ましくない行動をした際に、その行動を誤って正の反応で強化してしまうと、犬はその行動が正しいと認識してしまいます。
ある知人の体験談では、彼女の愛犬が室内で粗相をした際に、その犬を叱ることができずに、撫でたりおやつを与えたりしてしまった結果、その犬は室内での粗相が許されると学んでしまい、その後のしつけが非常に難航しました。この例からも、犬に対して不適切なタイミングで褒めてしまうこと(叱らないこと)が、犬の行動修正において逆効果になる可能性があることがわかります。
犬をしつける際には、犬が正しい行動をした時にのみ褒めることが重要です。また、犬が失敗した時は、決して厳しい罰を与えることなく、穏やかにしかしはっきりと「それはダメ」と教えることが肝心です。
犬は非言語コミュニケーションを得意としており、飼い主の表情や声のトーンから多くを読み取ります。そのため、正しい行動をした時の明るい声や笑顔と、失敗した時の落ち着いた声色や真剣な表情を使い分けることが、犬の学習において非常に効果的です。
結局のところ「失敗したのにほめる(叱らない)」という行動は、犬の長期的な幸福と健全な成長を考える上で避けるべき行動です。正しい行動を適切に褒め、誤った行動を優しく指導することが、犬との健全な関係構築につながります。
高い声で楽しそうに叱る

犬のしつけにおいて、高い声で楽しそうに叱る行為は、大きな誤解を招く可能性があります。犬は人間の言葉の意味を直接理解するわけではなく、声のトーンや身体言語、状況からコミュニケーションをとる能力に長けています。そのため、叱る際に高い声を使用すると、犬にとっては遊びや喜びのサインと誤解することがあり、結果として望ましくない行動を助長してしまいます。
実体験では、私の友人が愛犬にトイレトレーニングを行っていた時のことです。
彼女は愛犬が失敗した際、ついつい「ダメだよー」と高い声で叱ってしまいがちでした。しかし、この叱り方が愛犬には遊んでいるように感じられたようで、トイレトレーニングの進捗は一向に見られませんでした。
この事例からも、高い声で叱ることがいかに犬の学習に対して逆効果であるかがわかります。
犬を叱る際は、低く落ち着いた声を使い、明確で短い命令語を用いることが効果的です。また、叱るだけでなく、望ましい行動をした際には適切に褒めることも重要です。このバランスが犬の学習にとって最適な環境を作り出します。特に、叱る時の表情や身体言語も犬は敏感に察知するため、愛情を持って接することが大切です。
犬のしつけでは、犬との正しいコミュニケーション方法を理解し、信頼関係を築き上げることが成功の鍵です。高い声で楽しそうに叱ることは、その信頼関係を損なう行為になりかねません。
犬が鳴いたら(吠えたら)駆けつける

犬のしつけにおいて、多くの飼い主さんが無意識のうちに行ってしまいがちなNG行動があります。それは、犬が鳴いたり吠えたりした際にすぐに駆けつけることです。この行動は、一見犬への愛情表現のように思えますが、実は犬にとって誤ったメッセージを送ってしまう可能性があります。
愛犬が夜中に吠えるたびに慌てて様子を見に行った人がいます。しかし、この行動が愛犬に「吠えれば注目を集められる」という学習をさせてしまい、結果的に吠える頻度が増えてしまったという経験談があります。
犬は非常に賢い生き物で、自分の行動がどのような結果を引き起こすかを短時間で学習します。そのため、吠えたときに飼い主がすぐに反応することで、吠える行動が強化されてしまいます。
では、どのように対処すれば良いのでしょうか。
まず重要なのは、犬が吠えたときにすぐに反応せず、冷静に状況を観察することです。犬が吠えるには必ず理由があります。注意を引きたい、不安や恐怖を感じている、退屈しているなど、さまざまな理由が考えられます。吠える原因を理解し、根本的な解決を目指すことが大切です。
例えば、不安や恐怖から吠える場合は、安心させるトレーニングを行い、退屈から吠える場合は、十分な運動や遊びでエネルギーを発散させることが有効です。
犬のしつけにおいては、短期的な対処よりも長期的な視点でのアプローチが重要です。犬が吠えたときに駆けつける行動は、一時的には静かになるかもしれませんが、根本的な問題解決にはなりません。
犬との信頼関係を深め、犬の伝えたいことを理解しようとする姿勢が健全な関係構築につながります。
名前を呼んでから叱る

犬のしつけにおいて、名前を呼んで叱る行為は、多くの飼い主が無意識のうちに行ってしまうNG行動の一つです。この行為は、名前を聞いただけで犬が恐怖や不安を感じる原因となります。
犬は名前を自分を呼び寄せるためのポジティブなシグナルと認識すべきですが、名前を呼んで叱ることで、名前がネガティブな意味を持つようになってしまいます。
知り合いに、犬のしつけでこの間違いに気づき、その後の関係改善に成功したケースがあります。
彼の愛犬は、名前を呼ばれると尻尾を下げて逃げてしまうようになっていました。この問題を改善するには、犬の名前をポジティブなものと再連想させることが必要です。
名前を呼んだ後は、常に嬉しいことが起こる、例えばおやつがもらえる、楽しい遊びが始まる、などの経験を犬にさせるよう努めることで、数週間後には名前を聞いてら尻尾を振って飼い主のもとへと戻ってくるようになりました。
犬のしつけにおいて、名前は犬を呼び寄せたり、注目を促したりするための重要なツールです。そのため、叱る時に名前を呼ぶことは避け、名前を呼んだ後は常にポジティブなことがあることが重要です。これにより、犬は名前を聞くことを安心し、信頼のシグナルとして解釈するようになります。
また、犬が望ましくない行動をした際には、その行動自体を指摘して叱ることが効果的です。叱る声のトーンは落ち着いていて、犬が理解しやすいようにすることが大切です。
犬とのコミュニケーションは、お互いの信頼と理解に基づいていなければなりません。名前を呼んで叱る行為は、この信頼関係を損ねるため、絶対に避けるべき行動です。
呼んで嫌がることをする

犬を呼び寄せた後に、嫌がることを強いる行為は、その信頼関係を深刻に損なう可能性があります。例えば、犬を呼んで爪を切る、入浴させる、または叱るなどの行動は、犬にとって非常にストレスの原因となります。犬はそのような経験を記憶し、次第に名前を呼ばれること自体を恐怖のサインと捉えるようになりかねません。
私自身の経験から学んだ教訓を一つお話しします。
飼っていた犬が若い頃、彼を呼び寄せて爪切りをしようと試みていました。最初のうちは単純に爪切りを嫌がるだけでしたが、次第に私が名前を呼ぶだけで逃げるようになりました。この行動の変化に気づくまでに時間がかかりましたが、私が犬を呼ぶことがストレスのサインとなっていたのです。
解決策として、犬を呼んだ後は必ず好きなおやつを与えたり、一緒に遊んだりするようにしました。また、爪切りなどの嫌がる行為は、別の方法でアプローチを変えることにしました。特に、爪切りは徐々に慣れさせるようにし、短いセッションで徐々に進めることで、彼の恐怖を和らげました。
この経験から、犬を呼び寄せた後に嫌がることをするのではなく、呼び寄せること自体をポジティブな体験にすることの大切さを学びました。
犬のしつけにおいては、犬との信頼関係を築くことが何よりも重要です。名前を呼ぶことは、安心と喜びのサインであるべきです。犬に名前を呼ばれることを楽しみにさせるために、日常的にポジティブな経験を提供し続けることが肝心です。
嫌がることをする必要がある場合でも、そのアプローチを工夫し、犬が安心できるように配慮することが、信頼関係を深め、効果的なしつけへとつながります。
体罰・暴力・感情的に叱る

体罰や暴力、感情的に叱る行為は絶対に避けるべきNG行動です。怒鳴ったり、体を叩いたりするような感情的な叱り方は、犬に恐怖心を与え信頼関係を損ないます。私の経験からも、かつて愛犬をしつける過程で声を荒げたり、厳しい手段に訴えたことがありました。しかし、これらの行動は犬の恐怖心を煽り、かえって学習効果を下げる結果となりました。犬は人間の感情を敏感に察知する動物であり、暴力は彼らの心を閉ざしてしまいます。
専門家や獣医師からのアドバイスも、体罰の否定的な影響を強調しています。犬の訓練において最も重要なのは、犬との信頼関係を築くことです。体罰を用いることは、その信頼を根底から崩す行為に他なりません。代わりに推奨されるのは、ポジティブな強化です。例えば、望ましい行動をした際には、おやつや褒め言葉で犬を励ますことが効果的です。これにより、犬は喜びを感じながら学習することができ、肯定的な行動を自然と繰り返すようになります。
犬のしつけにおいて最も大切なことは、愛情と尊重に基づく関係を築くことです。体罰や暴力は、一時的な服従をもたらすかもしれませんが、長期的には犬との信頼関係を損ない、共生の質を下げることになります。愛犬との幸せな日々を送るためにも、ポジティブなしつけ方法を選択し、忍耐と理解をもって接することが重要です。
| 2024.05.06 21:22 | |
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訓練士資格・行動学専門家資格
攻撃的な犬の行動学専門課程修了- 本名:飯島 志保(いいじま しほ)
- 米国トリプルクラウンアカデミー(現スターマークアカデミー)卒業
- 卒業生の中から優秀生徒として選抜、卒業後に指導者として同校勤務
- 訓練士資格・行動学専門家資格。攻撃的な犬の行動学専門課程終了
- 犬のしつけ施設兼ペットホテル「ワンコ・ワークス」代表
- NHK「プレ基礎英語」ドッグトレーナー出演
- 米国ペットグッズのポスターに、愛犬バスコ出演
- クエンティン・タランティーノ監督ハリウッド映画「デスプルーフinグラインドハウス」に愛犬バスコ出演
犬の訓練士養成校として世界有数の規模を誇るアメリカ・テキサス州のトリプル・クラウン・ドッグ・アカデミー(現スターマーク・アカデミー)で、犬訓練・行動学専門家の資格を取得し、卒業後ワンコ・ワークスを設立。これまでに受け入れた頭数は延べ3万頭を超える。

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